1 静電気
よく、下敷きを頭にこすりつけてから上へ持ち上げると、髪の毛が逆立ちます。これは静電気の現象でしたよね。
今回は、その原理について詳しく学習していきます。
静電気…ふつうは電気を通さない2種類の物質が摩擦によって生じる電気のこと
電気を通せない物質を、不導体(絶縁体)という。
・静電気の仕組み
+の電気と-の電気の数が同じ
=「電気を帯びていない」状態
↓
この2つをこすり合わせると…
ー(マイナス)の電気が移動する!
布:+(プラス)の電気多い→+の電気を帯びている
ストロー:ー(マイナス)の電気多い→ーの電気を帯びている
この現象は、布とストローをこすり合わせた時に、図のような電気の力(ーと+が引き合う力)がはたらいた!
参考:電気の種類と関係
同じ極どうし→しりぞけ合う
違う極どうし→引き合う
・放電…電気が空間を移動する現象。(例 稲妻〔雷〕)
今回は静電気について学習しました。+とーの電気は、目に見えないので難しいかもしれませんが、図を見てイメージをしっかりと覚えましょう。
2 回路
小学校で電流とコイルなどを学習済みなので、復習を兼ねて、中学校で新しく詳しいことを学習します。
回路…電流の流れる道すじ・電気の流れのこと
回路図…電気用図記号を使って表した回路
左のような回路を、回路図にしてみると、右のようになります。
これが書けるようになりましょう。
(これは実際、高校の入試に出たレベルのやつです。)
電気回路記号
短い方がー、長い方が+
回路図は、いきなり見ると難しく感じるかもしれませんが、1つ1つの回路の記号を覚えて、何回かやっていくと、結構できるようになります。
〇電流…電気の流れ
単位 A(アンペア)、mA(ミリアンペア) 1A=1000mA
電流計ではかる つなぎ方:直列につなぐ
〇電圧…電流を流そうとするはたらき
単位 V(ボルト)
電圧計ではかる つなぎ方:並列につなぐ
3 電流計・電圧計
〇目もりの読み方
-端子 5Aのとき…3A
500mAのとき…300mA
50mAのとき…30mA
※つないだ-端子に合った数値で読む
※電流・電圧の大きさが分からない場合は、一番大きな-端子につなぐ(図にある「つなぐ順番」のとおり)
(理由)針が振り切れて電流計が壊れるのを防ぐため。
〇直列回路と並列回路
〈直列回路〉枝分かれなし
直列回路
電流の強さ I=I1=I2(一定)
電圧の大きさ E=E1+E2(和)
(回路全体の電圧)
〈並列回路〉枝分かれあり
並列回路
電流の強さ I=I1+I2(和)
電圧の大きさ E=E1=E2(一定)
(回路全体の電圧)
4 抵抗
抵抗…電流の流れやすさ・流れにくさのことをいいます。
(電気抵抗) 単位 Ω(オーム)
抵抗 小 →電流 大 導体 例)金属
(じゃまが少ない)(流れやすい)
抵抗 大 →電流 小 …不導体(絶縁体) 例)ガラス,ゴム
※オームの法則
「電熱線に流れる電流は、電熱線の両端に加わる電圧に比例する(電圧が大きくなる→電流も大きくなる)」関係のこと
\( \displaystyle A=\frac{V}{\Omega} \)
\( \displaystyle 電流(A)= \frac{電圧(V)}{抵抗(\Omega)}\)
※単位に注意
mAはAに直す。1A=1000mA
(例題)(1)10Ωの電熱線に8Vの電圧を加えると何A?
\( \displaystyle A=\frac{8V}{10\Omega} =0.8(A)\)
(2)12Vの電圧に500mAの電流がある。何Ω?
\(500mA→0.5A\)
\( \displaystyle 0.5A=\frac{V}{24\Omega} \)
\( V=0.5A \times 24\Omega =12(V)\)
《オームの法則の利用》
(1)直列回路
電流…一定 電圧…和
合成抵抗 R=R1+R2
(回路全体の抵抗)一番大きい
(2)並列回路
電流…和 電圧…一定 一番小さくなる
合成抵抗 \( \displaystyle R= \frac{R1R2}{R1+R2} (\frac{積}{和})\)
(回路全体の抵抗)
5 磁界
(1)磁石のまわりの磁界
・磁石の力を磁力
・磁力のはたらいている空間を磁界
・磁針のN極がさす向きを磁界の向き(N→S)
・N極のさす向きにそってかいた曲線を磁力線
(2)電流のまわりの磁界
※ 磁界の強さ
・電流の強さが強いほど
・導線に近いほど ⇒磁力が強い
(3)コイルのまわりの磁界
※大切!※
磁界の向きを逆にする方法
・電流の向きを逆にする
・コイルの巻く向きを逆にする
磁界の強さを強くする方法
・コイルに流す電流を強くする
・コイルの巻き数を多くする
・コイルの中に鉄心を入れる
(4)電流が磁界から受ける力
電流が磁界から力を受けている為導線は動く
→モーター(電動機)、スピーカー
フレミング左手の法則
電流の向き逆→力の向き逆
磁界の向き逆→力の向き逆
電流 強→力の大きさ 大
磁界 強→力の大きさ 大
6 電磁誘導
コイルの中の磁界が変化して、電圧が生じ、コイルに電流(誘導電流)が流れる現象
※誘導電流は磁界の変化の速さが速いほど大きくなる
近づける→同じ極
遠ざける→異なる極
(1)(2)で電流の向きが逆
(3)(4)で電流の向きが逆
7 電力(消費電力)
→1秒間における電気の量 単位:ワット〔W〕(1kw=1000W)
※電力(W)=電圧(V)×電流(A) 参考:電力量〔Wh〕=W×時〔h〕
・1Wは1Vの電圧で1Aの電流が流れる
(例題)①4Vの電圧を加えたら2500mAの電流が流れた
電力(W)=4×2.5=10W
②「100V-600W」
100Vの電源につなぐと1秒間に600Wの電力を消費する
→電流 600÷100=6A
8 電力と熱量
電熱線に電圧を加えて電流を流すと、電熱線は発熱する量
単位:ジュール〔J〕又は1W秒
※発熱量〔J〕=電力〔W〕×時間〔秒〕 参 発熱量=0.24×W×秒
・1Wの電力を1秒間使用した時に 〔cal〕
発生する熱量を1Jとする カロリー
ポ 発熱量 1J=0.24cal=1W秒
水の温度上昇 電力に比例 (1cal=約4.2J)
水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量